1st アルバムリリース&リリース・パーティーの告知
並びに工房全体のAI使用に関するステートメント

新音楽制作工房代表、菊地成孔です。私事ですが、本日をもちまして(ドナルド・トランプ合衆国大統領閣下、日本が誇るSSWの1人である藤井風様、キューバ社会主義革命に際してのゲリラ指導者、チェ・ゲバラ氏等と同じ誕生日を迎え)62歳となりましたが、そんな些事とは全く一切何の関係なく、ついにこの日がやって参りました!!!

 

来たる<6月21日>!!!!

 

に、我々名義(アーティスト名が<新音楽制作工房>)の1stアルバムが発売されます!! 我々がアーティストとして自主的に作品を発表するのはコレが初となります!!!

 

今回は、私、菊地を始め、上野山、Satō、Hizuru、大野、田島、佐々木、委細、D-TAK、OGAWA、MINAI

、とフットボールのチームを模しまして11名稼働であります!!ドリブル!パス!シュート!!!!ゴーーール!!!

 

これも偏に平素より我々の活動に御高評賜っております皆様のお陰であります。サンキューソーマッチ、メルシーボークー!であります!(フランス語のご挨拶が添えられているのは、アルバムをお聴き頂ければ瞭然と致します=日本語とフランス語の作品なので)。

 

内容は、私が四半世紀も前にやっていた<第二期スパンクハッピー>というバンドの楽曲を(私も含めた)工房のポップス班精鋭メンバーがリメイクしたアルバムで、31曲入りです!!  (「このアルバムのための新曲」も1曲だけ入っています)

 

アルバム名は

 

 新音楽制作工房

 『未来のコドモたちの食べ物(スパンクハッピー・セルフリメイク)』

 

となります。最初は配信ですが、後からCDも出します(ノンストップ・ミックスの2CD。すげえ90年代前半みてえ!!)。

 

んでもうー。自分で言うのもナンですが、もうコレー。新音楽制作工房さんたちー。ちょっとヤバいが過ぎますよー。何せ31曲があっという間!!(ビートルマニア諸氏はご存知、「ホワイトアルバム」の配信スーパー・デラックス・エディションの107曲に比べたらまだコドモ・スパンクハッピーですが)

 

なので、2期スパンクハッピー磔の敬虔な皆様は言うまでもなく「なんやそれ知らん自分ガンダムと岸辺露伴の人ちゃうん?」の皆様におかれましては特にゼヒ!! 現代のポップ・ミュージックのオルタナからコンサバまでずらっと揃っています!!

 

とはいえ全曲歌モノなのにヴォーカリストが不在でございまして、透明人間じゃしょうがないから、初音ミクさんみたいにルックを持ちたい。ということで、我らが<コドモ・スパンクハッピー>が公式キャラとして大活躍するのであります!(生身じゃなくて、画で。だけど笑)

 

しかーし、既に速報動画がアップされております8月20日 渋谷WWWXでのリリパ「新音楽制作工房presents<未来のコドモたちのために>」では、ルアンさんのソロ(こちらのトータルプロデュースも我々が行います)とゆっきゅん氏のソロ、私のDJ、そして再び!!1年という悠久の時を経て遥か未来からやってきたコドモ・スパンクハッピー(時制に関して3回間違ってる)も実態を伴って登場!!ものすげーダンスをご披露しますので絶対来てね っ!!! 

 

と、聴きどころ満載のアルバムですが、チャーム・ポイントのひとつに、現在、音楽業界内で正式名称がないので、我々が勝手に「altcv(オルタナティヴ・カヴァー)」と呼んでいる、<歌詞はオリジナルだが、メロディが違う>という、最新のリメイク形式を使ったトラックが、結構いっぱい入っている。という点があります!!

 

これ非っ常ーに面白い。確実に(AI使用でないと出来ない)音楽の未来がある訳ですが、聴くまでどんなものかわからない方がほとんどだと思いますので笑、とにかくお楽しみに!! 笑

 

と、既にこの段階で、音楽制作用のAIを、全面的使用と言わず部分的使用と言わず、不使用と言わず、他の音楽ツールと分け隔てなく使用していることは確定でありまして、この界隈、SNS限定だとしても、蕎麦とっくに伸びちゃたというか、結構な今更感、遅きに失した感はあるとはいえ、特に、音楽家でない、ファン、リスナーの皆さんに於かれましては「まだ少しモヤってる」方もいらっしゃる案件ではあるまいか?と推測しております。

 

ので、以下、aikoの「スカート」のブルーノートと多調性の解説より幾分わかりやすく笑、音楽生成AIに関して(大体、中学生さんぐらい向けに)の現状と、その背景をご説明させて頂く、と共に<当工房の音楽制作用のAI使用に関するステートメント>を発表させて頂きます。

 

文責は代表としての私にありますが、chatGPT使ってないからな!!っていうか使えないんだ!!! 

 

また、それは我ながら淫らなほど、1万6000強という、著作物水準の長文となります。「長文なんて読めねえんだバカヤロー」といった短文愚連隊の皆様に於かれましては、悪いことは言わない、ここで読むの止めとけ笑。どうせ斜め読みでも、一文字も読まなくても文句は(あるいは絶賛も)好きだけけ書けんだろ?笑。やれよ笑。

 

  

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まず、あくまで<音楽に於ける>としますが、生成AIに、<違法性>は(去る5月28日に「AI法(正式名称:人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律)」が成立する遥か前、そもそもsunoとudioのサービスが日本でも開始された時点から)全くありません。

 

商用利用が可能なサーヴィスを、使用規約に従い、使用料も最高額プラン、いわゆるプロユースで商用利用しているだけで、あなたが自動運転のEVカーに、ハンズフリーで正しく乗っているのと一緒であります。

 

しかし今は、歴史的視野に欠けた不安と恐怖そして言葉の暴力溢れるこわいこわーい世の中。アーティスト側からのステートメントの発表とその根拠の説明は、ユーザーの皆様への義務、とまでは申しませんが、誠実さを期するべく、ものすごく長くなりますが(汗)、ポストではなく、本だと思ってお読み頂き、御精読願えると幸いです。

 

 

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まず現状、「アメリカのレコード会社3大メジャー(ソニー、ワーナー、ユニヴァーサル)が、全米レコード協会(RIAA)を代理に立て、sunoとudioを訴訟中」です(因みに、これは後述、音産の現在を確定した、革命的と言える「ナプスター裁判」と全く同じ座組であります)。

 

そして本件のみならず、ビッグビジネスのステージでは<ディールの一環として相互訴訟しておいて、水面下でネクストビジネスの落とし所を探す>という動きは、音産に限らず一般的です。況やエンタメ&訴訟大国であるアメリカに於いてをや。

 

先ずはこの事を知らないと、あらゆる新テクノロジーが開発されては、義務みたいにいちいち訴訟されるわけではありませんから(例えばMIDIは、いかなる訴訟も受けていません。ただ、中小規模の私刑、「MIDI狩り」はありました。概念的根拠は今回の生成AIに対する物と寸分の狂いもなく同じです)、音楽の生成AIが、特別ヤバイと勘違いされても、まあまあま、仕方がありません。

 

そして、アメリカ音産に於ける、ざっと掻い摘んだ訴訟史すら何も知らず、「今」しか知らない(Xのフォームに<「今」を知ろう>って書いてあるから言う通りにしてるんでしょうけれども笑)徒手空拳のまま、音楽生成AIを違法視、悪徳視し、まあ!アナタたちったら!一体どうしちゃったの!お母さんびっくりしちゃったじゃない!!っつうぐらいの勢いで、ギャングみたいになっちゃう皆様をSNSが高速で生み出すのもまた、まあまあ仕方がありません。

 

と、この、最初にこの「2つの仕方なさ」を踏まえた上で、先に進ませて頂きます。

 

以下、仕方なく発生が予測されるヴァース1「訴訟されてる会社のもん使こてええ思とるんけ?ああ?」とこれは流石にチンピラの言い掛かりだとしても、ヴァース2「AIいうたら指先ポン出しで何でもできる、パクリ放題チョロチョロのチョロQやないかい。そんなもん銭払うて下さる大切なお客様に出してええ思とるんちゃうやろな自分?ああ?」といった、無知なるが故のイージーなジャッジ・メンタル、これまた世の常とは言えども、いずれにせよこの2つのヴァース(関西弁への翻訳に「長いから箇所箇所楽しくしないとな…」以外、他意は全く御座いません)によってモヤっている方々が、まだまだいらっしゃる、と推察されますので、ご説明の焦点を以上2点に絞った上で進めさせて頂きます。

 

 

 ヴァース1)について

 

前述、アメリカは訴訟社会で、かつ権利に敏感な社会です。何せ、後述、音楽に<著作>の権利を付与した国なのであります。

 

ただ、また一方、アメリカはディールの国でも、プロレスの国でも、ディベートと演説の国でもあって、RIAAと3大メジャーは、「黙っているわけにはいかなくなった」ので訴訟しないといけない訳ですが、「裁判に勝って、この世から音楽に関するAIテクノロジーを殲滅してやる。未来永劫にな」とは、私の首を賭けますが、絶対思ってません笑。

 

「そもそも産業革命から」とか言い出すとそうでなくとも長文が超超長文へ、そうでなくとも古米が古古古古古古米へと肥大する恐れがあるので端折りますが、常に発達され続ける(しかない)テクノロジーの歴史の中で、突出したもの、つまり杭(くい)が出た時、それは概ね、第一に既得権益を根底から揺るがせる可能性を持ち、第二にそれは大変魅力的で、民がうおー!とばかりにそっちに向かうんで、既得権益の持ち主たちは「ヤベ」となって訴訟する訳ですね。

 

黙ってたら刻々と黙認期間が伸びます。現代は黙認期間、訴訟のタイミングまでが分析 / 評価の対象になる時代ですから。

 

しかしこれ結局、win-winの同意/和解に向かうしか方法はあり得ません。過去、アメリカの音産で生じた訴訟物件で、原告もしくは被告が、相手側を勝訴によって一方的完全に叩き潰してしまった案件は数少なく、その全てが剽窃裁判です(AIが恐怖の剽窃機械ぐらいに思い込まれることも、これまた不可避ではありますが、後述します)。

 

期間をここ半世紀以内に採っても「ゴースト・バスターズ裁判(1984。敗訴したのはレイ・パーカー・Jr.さん。しかしのちに示談が成立。条件は「関係者は全員、誰も一切何も言わないこと」なんだそれ笑)」と、「音楽の歴史を100年前に戻した世紀の愚決」と言われる「ロビン・シック裁判(2013年。敗訴したのはロビン・シックさんと、PRODだったファレル・ウィリアムスさん。因みに訴えたのはマーヴィン・ゲイの遺族こいつらとにかくド最悪)」の2件のみです。

 

私はこれを、虐めや生贄、というか、後述<音楽><の著作権>という歪な権利概念と、それを守るために設立された、世界最初の<音楽><の著作権を守る>アソシエーション「全米作曲家作詞家出版者協会」を箔付けるためだけの見せしめであると評価しておりますが、それはさておき。

 

こうした、剽窃のような、曲単位の規模感ではなく、「ナプスター裁判(1999年。前述、訴訟したのはRIAAとアメリカレコード会社メジャー各社)」は、楽曲という商品の形態がフィジカルからデータに移行し、配信されるようになって、音楽家の労働のあり方を始め、音楽産業の構造自体、つまり「たった今」を築いた大裁判の時は、最初、殺り合いぐらいガチでしたもんね。私は当時36歳でしたが「おお。ちゃんと世紀末来たな。どうなんのコレ」とたじろいだものです。

 

しかし、結末は、win-winの和解 / 同意によって、音楽業界はこれこの通りフィクスされた訳です。これがここ最近では最大の裁判ではなかったかと思います。

 

というのも、 楽器である「サンプラー」の開発の時も、音楽ジャンルである「ヒップホップ」が<ネタ>をクリアランスしないで商品化していた短い期間も、業界はザワつき、その都度、裁判沙汰まで行くか行かないかは別として、個別案件として揉めては法整備が整う、という反復を行なってきた訳です。

 

サンプラーの時なんて、私、サキソフォン奏者としてスタジオミュージシャン稼業で禄を食んでおりました手前、今や誰でも知っているもの凄い超有名なスタジオミュージシャンの友達から「ナルちゃん(私の愛称です)反対運動に署名して!!」「しない」「何で!!仕事取られるんだぞ!!」「取られないと思う笑」等という会話で友人を半年間ほど失ったり、甘酸っぱい思い出でいっぱいです笑。

 

と、こんなもん細かく全部やってると、音楽テクノロジーの発達史=訴訟史の本みたいになって、本稿が無駄なほど超面白くなってしまうので、先を急ぎます。

 

メチャメチャ大ザックリ言うと、そもそも音楽に「作者の権利」という概念を作り、命名に際しては、あたかも著作権の大パイセンである書物のそれ(英国では18世紀、我が国でも明治32年から制定されています)から借用するかのような形で「著作」としたのがアメリカです。

 

<音楽の著作権>は大発明でした。今では悪法とすら言われない俗名「ミッキーマウス延命法(著作権延長法/1998年制定)」等も、「著作権概念」無しにはあり得ませんでしたし、後述する「公益性VS個人の権利」という龍虎の睨み合いも、ひょっとしたら、オリジンはここかも知れません。

 

<全米作曲家作詞家出版者協会>が設立されたのは1914年。マスメディアとしてのラジオ放送も、再生媒体としてのまともなレコード盤もなく、<音楽>は演奏され、それを聴いて料金を払うだけの、つまり興行そのものだった時代に、結構牧歌的な揉め事が生じたのだとされています。

 

ヨーロッパの音楽家がアメリカ旅行に来ると、カフェで自分の曲をバンドが演奏していて、まあまあ最初は喜ぶわけです。が、欧州人の作曲家なんて概ねそんなもんですけど、細部がちょっといい加減に演奏されると、最初は微笑んでいたものの、やがてどうしても耐えられない先生が出てくる。キー!!あれは私の曲ではない!!!とかなったとかならないとか。

 

この問題を調停する。というより、「あ。これビジネスになる」と踏んだヤカラが、当時、音楽が<出版>されて利益産んでいたのが<ピアノピースの楽譜>だけだった、という事実も踏まえ、音楽の(主に、作曲者の)権利概念を生み出すとともに命名し、アソシエーションを作りました(「原盤権概念」、今話題の「隣接権」が従属的にどうやっていつ生まれたかはchat GPTに聞いて下さい)。

 

アメリカは、いわゆる「アメリカン・ミュージック(フォーク、カントリー、ブルース、ジャズ、ゴスペル等々)」のオリジネーター達に「著作権」を与えたわけではありません。欧州の音楽がアメリカで演奏されるに際して、欧州人の音楽ツールである楽譜を介して、<権利ビジネス>を始めたわけです。

 

と、いう出自を踏まえるに、私はコレ(音楽の著作権)、スタートからちょっとダメだったんじゃないの?と思っている派です。いうまでもなく「そんなこと思うわけない」派が圧倒多数で、今や著作権は「知的財産権」として立派な権利として振る舞っていますが、調べれば調べるほど、考えれば考えるほど、感じれば感じるほど、出自に無理があるのを、後から力づくで外装を強化し続けているだけの大マチズモだと思はざるを得ないのであります。どこまで積み上げても、どこまで逃げても、出自は隠せません。

 

何せ、長らく<剽窃>の対象はメロディラインだけで、コード進行、リズム構造は対象の埒外でした。これは、前述、最初の管理団体「全米作曲家作詞家出版者協会」初代の会長が、作曲家のI・バーリンーー代表曲「ホワイト・クリスマス」ーーで、彼は「右手の指先1本で全米を制した男」と言われ、つまり、メロディは発案できても付帯するコード進行が弾けず、お弟子さんがコード(ハーモニー)を付ける、というスタイルの作曲家だったからです。大丈夫かアメリカ?色んな意味で。

 

逆説的に申すならば、最初から無理クリに作った権利なので、なんかある度、いちいちグラグラするのではないでしょうか?土台がヤワいからですよね。

 

そもそも、一個でも議事録読めばわかりますが(私、国内外併せて4つ読んでます。いやあキツかった)、日本でもアメリカでも、法廷で楽曲の剽窃=個人の著作権の侵害。を立証するのは「無理じゃね?」ぐらい、極めて難しいです。

 

方や、書物=著作物の剽窃裁判は一瞬でカタがつきますね。最近めっきり本の剽窃裁判(昔、モーニング娘。の人とか、ビートきよしさんがなさった記憶がありますが笑)が立件されないのは、立証が簡単すぎるから&チェックのテクノロジーが発達したから。という事でしょう。

 

こうして、実のところ私は、「音楽の<著作権>」というのはアメリカのファンタジーぐらいに思ってます。もちろんこれは「だから生成AIは潔白で無実で無害だ」という結論への紐付けになる、とかでは全くありません。あくまで原理論です。

 

90分の映画をアルバムとし、3分づつに切ってシングルとし、それに<著作権>を与え、侵害者(写ってるもんが一緒だとか、カメラの動きが一緒だとか、脚本が一緒だとか、まあ、記号的な一致を探せば、いくらでも出てくるでしょうから)が生じた場合、訴訟して監督の権利を守る!と言っているようなものだと言えますね。

 

今、低額リベラルの皆さんが、まことしやかに「音楽家の権利がー!」とか語りたがりますが「それ、踏まえて言ってる?っていうか、リベラル格安チケット、お前、本気か?」とは思いますなあ正直。

 

そういったグラグラの足場上にです、インターネットの定着以降、爆発的に日常化した<公益的共有なのか、個人の権利に対する侵害=窃盗=犯罪。なのか?>と言う、これまた厄介な二元論の俎上に、本件も乗ってるわけです。グラグラの二乗で、グラグラグラグラグラのグラングラングラン浜田ですよ。メキシコで体幹鍛えてアメリカ。色んな意味で。

 

例えるならば、20世紀まではまかり通っていた「個人的な肖像権」、例えば不肖私<菊地成孔の写真>は、昔はかっぱらって発売したりしたら捕まって犯罪者扱いになってたわけですが、今、「菊地成孔」で画像検索すると「ちょっと、コレはやめて~。カツラ被るの忘れた日のブログの写真じゃん~(顔真っ赤っ赤)」みたいのまで晒されておりまして、これ、Googleがブチ込んでくる「公益的な共有性」が<たかが菊地の個人的な肖像権なんか知るかい。そもそもコッチは売ってなんかねえわ。テメエが出来ないエリアまで宣伝してやってんだからありがたく思え。っていうか、貴君が貴君の意思でネット上に上げた段階で、もうそれは公益の共有の取り放題覚悟なのですよね?ネットにあげたらみんなのモンなんだよ!>的に浴びせ倒しに来ていると言えます(浴びせ倒され切っています。インターネットも大きい子に育ちました)。

 

このテキストも、デジタル・ミーディアの皆さんは、もう自由に、好きなように切り取って見出しをつけ(絶対に全文引用できないもんね笑)、私に一言の通達もなく引用することが出来ます。これがオンザネットではなく、ペーパーの著述物だとしても。イベント中の発言だとしてもです。

 

んでまあまあ、私のツラやテキストでは話が余りにショボすぎる訳ですが、ナプスターの時は、アーティストの作品、まんまそれ自体(コンパクト・ディスクの原盤一択を指していたんですが。この顛末はS・ウィット著「誰が音楽をタダにした-──巨大産業をぶっ潰した男たち」が、ムッチャクチャ面白いんでご一読お勧めします)が、サンプラーの時は、スタジオミュージシャンの演奏=雇用が、そして本件AIでは、「学習」の素材としての音源が、不法に盗まれたと。楽曲を作った人々の個人的権利、その堆積、の侵害だろ。という言い分です。

 

一理はありますね。「片理」と造語した方が良いかもしれません。

 

承前、これに抗する言い分は、先ほどのアレひとつしかありません。「いやこれは公益的共有性だ」「WikipediaだってGoogle検索だって罷り通ってるだろ。あんた何の努力しないでも宣伝できて認証、拡散されるんだよ、どんだけありがたいかね? これぞインターネット社会の価値観!」という話です(インターネットの段階で、国内法、交際法がグラグラなんで、ずっと小競っているわけです)。

 

これをsuno、udio側は「フェアユース」という概念と名前で突破しようとしたんだけれども、<生成じゃない方>に無効の判決出ちゃって、肝心の生成AIの方は(今んとこ)無効判決が出ていない。といった、一読するに「ん…えっと?」ぐらいには絵に描いたようなグダグダで、要するにどっちの刀もブン回し、立会人も怪我しないようにひょいひょい避けながらどちらかの旗を挙げてる状態です。

 

*その後この問題にはコッチ向きの進展が

生成AIもフェアユースで対応可能とする米著作権局報告書

 

 

とはいえ元も子もないことを申しますと、この二項対立は、永久に解決しません(ですから我々は<(使用者だから=)フェアユース依拠している>などということはありませんよ。冒頭から申し上げている通り、我々は現行利用規約に基づく合法性を前提とした、実務的判断の下、使用しているだけです)。

 

ナプスターの孫である公益性代表のYouTube(一番最初はスマトラ沖地震で起こった津波を、一般人が携帯のカメラで撮影したものがCNNのトップニュースになるのを見て発案された、素朴なモンでしたけどね。懐かしいです。大きく育ちました)も、<音楽に於ける権利の父>である著作権の実務を担う団体(日本だと)JASRACとかも、「原理的に解決しえない問題を調停する膠着の場」に置かれたまま、それなりの順応してますよね。

 

でもそれって、何だってそうなんです。世の中は、<解決できない>拮抗や膠着状態の集積が、非周期的に火を吹くだけであって、その時、その時、で対応するしかない。そんな状況にバケモンであるAIが出て来たんでさあ大変、という段です、今は。

 

要するに「公益性VS個人の権利」の歴史は長く、始祖は深く(「共産主義VS資本主義」とまでは申しませんが)、キッカケさえあればいつでもボーボーに燃えるわけです。火事酔いするフェティッシュな方には、いま世界は最高の遊び場所でしょうが、無駄な一喜一憂に疲れ果てた方は、歴史を学ぶことをお勧めします。

 

現在、双方とも極化したまま膠着しており(街ロケの番組で、画面がボカしばっかりの幽霊画面になる一方、chatGPTが、ものすげえ速度でなんでも学習しちゃったりする、といった)、もし、この膠着に<解き方>があるとすれば、ですが、ここまで書いてきた<訴訟という戦い→合意という名の野合→新ビジネスという新しい利権の分配>というプロセスを踏む以外になく、それでもアメリカは、国が抱える膠着の半分も<解いて結ばれて>はいません。

 

人様のこと偉そうに言えませんが、聖書原理主義とリベラリズムの問題も、銃と銃規制の問題も、人種差別の問題も、女性の社会的権利に関する問題も、なに一つ「解決」できてないまま、グレートアゲインとか、移民入れるなとか、性的多様性なんかねえわとかで、結果、今、LAがボーボーという有り様(我々のアルバムが出る頃は全米がボーボーのボーボーの、大ボーボーかも知れません)。

 

と、ナーンかさあ、アメリカって昭和の中国みたいになっちゃって(トランプのしてることって、俯瞰したら万里の長城ですしね)、中国が妙に、昭和のアメリカみたいにリベラルな面構えになってきたりなんかして、令和ってやっぱ昭和の陰画的な…ということはやがてユダヤとアラブも……と、我ながらそこそこ丁寧な歴史解説がバカの妄言に流れそうになった今のこ瞬間に、「やっぱなー」という助け舟が入りました

 

*例えばコレですね(ソースは古いです。私がたった今、知っただけ)

ソニー&ワーナー&ユニバーサルがSuno、Udioからライセンス料徴収で和解を検討か

 

*コレは、「ちょこっと前」に入ってきました

プラグインの老舗WAVESから音楽生成AIがリリース


 

*ドキュメント動画とかで見ると、ガソリン缶ぐらいのでっかいミルクセーキを両手で持ち上げて飲んだりる、陽気なティンバランドが怒られているのもあります。コチラ


 

(記事内に「ビリー・アイリッシュやスティービー・ワンダーなどのアーティストは、AIが人間の創造性に対する脅威であるという公開書簡に署名しました」とあって、思わずビビりそうになりますが、この2人、ありとあらゆるリベラルっぽい事に署名するんで、その署名がどの程度身を結んだかどうか、ご精査ください。直近だとカマラ・ハリスの応援キャンペーンで歌ってましたよ笑、テーラー・スイフト、ビヨンセ、ジョン・レジェンドなんかと一緒に。単なるちょっと前のリベラル中毒。早く治して!!)

 

 

 

どのニュースも(特に真ん中はあまりに機材コンシャスでり)、音楽関係者以外には速やかな理解は難しいかも知れません。

 

AIはタマがデカい上に、かなりの凄ダマなんで、すぐに決着するかどうか、音楽関係者も固唾ぐらいは飲んでいるでしょうけれども、本件が、少なくともここまで説明した、音楽ビジネス上のオンリーワンウエイ(調停からのニューオーダー)を着実に踏んでいる事がわかります。

 

いずれにせよ。です。繰り返しますが「訴訟されている会社=違法を犯している会社=はいブラックねー」では、さすがにチンピラの因縁です。商用の使用規約という合法性の下、サーヴィスが続けてるわけですし。そして国内法も、アメリカの状況も、一点を指しているのは間違いありません。

 

と、ヴァース1に関しては取り敢えず以上ですが、ここでちょっと良い話、今回、RIAAを偉大で音楽を愛し守る権威、みたいに自動的に思っちゃってるニワカが多くて失礼ながら、大変微笑ましい気持ちで目を細めさせておりますけれども、RIAAなんてデカいアソシエーション、チンピラ以上に大ヤクザですよ笑(勿論、4大メジャーも)。

 

それと、コレ、訴訟側の言い分の中枢ですが<学習ソースを盗んでいるから窃盗だから犯罪だからダメだから>という言い分に「なるほど」と無謬で乗れる方は、老婆心ながら、ほんのちょっとで良いので勉強なすった方が良ろしいです。「学習」という言葉の意味をです。

 

特に「音楽」って、どうやって「学習」されるんでしょう? あなたはどうやって「音楽」を「学習」してきましたか? 誰かが弾いてるお得意のギター。カッティングって、誰の権利も一切侵さずに学習されたのかしらね。じゃあ「公益性」って何のこと?と、ウロボロスの龍がグルグル回ってる訳です。以下、私事、私は音楽家ですが、例えばサキソフォンという楽器の「学習」をかれこれ40年続けておりますが、「個人の権利」を一切侵害せず、清く正しく学習してきたとは、とても思えません。

 

<以上です>とか言いながらなかなか終わらない年寄りの繰り言をお許しいただきたいのですが、付帯的に「配信ビジネスから生成AI使用の楽曲が排除され、根絶される」という妄説に怯えきってる方がいるのも、わからないでもない(「排除」とか怖いし、強いですから、イージーに振り回されやすいですよね)。

 

とはいえ、配信会社のガイドライン、並びに配信の申請フォームを具に読む限り、「AI排除」なんて勇ましいモンでも何でもありません。AIには何度も申し上げたように商用利用に関するルールが定められており(暫定ですが。この訴訟と調停に未来がかかっているのは言うまでもありません)、それをチェックするために、使用機材を申告しないといけなくなった(AI以前はそんなことはありませんでした。剽窃に代表される、権利侵害のリスクは、下手したら今より高かったというのに)。

 

配信会社は、RIAA&メジャー側とsuno&udio側、両方の顔色見るしかありません。黙ってバンバンAI生成曲を配信し続けたりなんかしたら、どんな面倒が起こるかわかったもんじゃないですし、ワンフレーズでもAI使ったら削除。みたいな赤狩りしたりしたら、足元に火がつきます。AIのみによって生み出され得る、斬新で芸術性の高い作品を評価するユーザーが抗議するでしょうから。

 

敢えて申請フォームをスクショ引用とかはしませんが(それ自体違法でしょうし)、「よっぽど、もう、誰が聴いても個人の権利を侵害したら、配信しませんぞ(剽窃の厳禁)」「現行の商用ルールに反しているものは配信できませんな(違法性の厳禁)」「状況によっては、こちらの判断で配信が不可能になる場合があり得ります(アップセットの可能性懸念)」と、概ねそういった感じですが、これは言うまでもなく、そんなもんAI以前からずっとそうだったことを、この騒ぎに際して上書き追加しただけです。というより、我々の作品は(全曲ではありませんが)AI使用を公言しておりますが、「AI使用楽曲のみ配信されない」という憂き目に合うかどうか、皆さんが一斉にせーの(略称「いっせのせ」)でご確認できます。

 

 

 ヴァース2)について

 

 

と、そういった次第でありまして、「今のご説明で、違法かどうかの話は理解しました…

でもやっぱAIの芸術使用って、カルチャーとして、倫理的にもクリエイティヴィティとしてもダメな気がしちゃうんです、指先一本でできるとか、あんなもんはレンチンで、お母さんの作ってくれた料理のありがたさ、暖かさがないって、心ある素晴らしいアーティストはみんな言ってるし色々心配ですう」

 

といった。<心を痛めている系の方々>のメンタルダウンに対してのケアとしても、一応コメントさせていただきます(まだステートメントに至っておらず笑、話がクドくてすみません。歳が歳なので尿がなかなか切れないのであります。しかし「レンチン」発言、「お母さんの手料理」発言は、バカだのマザコンだのとは決して申しませんが、「グランドピアノの前に座って、Gの鍵盤を人差し指で押せば、3歳児でさえ、ちゃんと調律されたGの音が「ソー」って綺麗に鳴るの、レンチン以外の何だよ笑。一生お母さんの手料理食ってろ笑。てかウチのレンジさんをナメんじゃねえ笑」ぐらいで失礼させて頂ければと)。

 

我々は過去に於いても、現在においても、また未来に於いても、音楽テクノロジーは分け隔てなく全て使用し、そこにはAIも含まれますが、言うまでもなく「はい◯◯風サクッとよろしく」的なイージー・ウエイや(実際に使ってみるとわかりますが、実際そんな簡単に行かないんですけど、すっかりそういうイメージですよね。人種差別程度には偏見ですこれは)、特定個人の声や楽曲に似せて生成させる等々、明らかな怠慢や剽窃、ましてや企業でもあるまいし、コストカットや雇用の削減、等をしているのではありません。

 

我々は、<AI使用でしか成し得ない、新たな表現領域の追求>のため、工房内で切磋琢磨しながら、先端ツールとして使用、いち個人の作業時間、鍛錬時間の有限性を超えた、工房=ラボ的な組織力によって、AI音楽の先端可能性を絶えず追求し続けている結果、お陰様で成果物へのご高評賜り、大変嬉しく思っております次第であります(まあ、レンチンギャングがSNSの中でウロウロするのは冒頭にある通り仕方ないとして)。

 

そして、我々の内部でも「実際に触って、使って頂くのが理解への最短距離。AI教室みたいな動画を制作するのが1番早い」という説が出ているぐらいで、何せ、最古の音楽テクノロジーである「楽器」から幾星霜、音楽テクノロジー発達の行く末として、とうとう「文字さえ書ければ使える」という、ユニバーサル・デザインの極限値が達成されたのが生成AIですので、万民が一度、掌中に収め、使用してみるのが一番良いと思っております。

 

そこでご理解いただけることといえば、<クリエイティヴィティのネクストを徹底的に追求する限りに於いて>という高邁な理想の遥か以前に、音楽用のAIが思い通りに動かすことさえ(一般イメージと逆に)物凄い難しい。ということです。

 

AIだけが可能にする(しそうな)斬新なイメージを抱くはよし、それを実現するのに、AIはインスタント・ツールでもイージー・ツールでもありませんし、よしんばイージーに剽窃し、個人の権利を侵害したり、「それ風」レンチンしまくりでチャらく功利的に悪銭を儲けたいのだとしても、AIよりも、ギターや、前AIであるDAWのが万倍早いです。

 

テクノロジー論、とまで大上段に振りかざす気は毛頭ありません。が、あらゆる道具に「危険で違法な道具」と「安全で合法な道具」の差などありません。どんな道具だって、楽したりインチキしたり、悪用しようと思えばできますし、新しい表現、感覚の拡張、といった芸術領域を徹底追求しようと思えばできます。

 

鉛筆一本でさえ未だにそうでしょう。逆に銃器全般も、弱者のセルフディフェンスや狩猟の為に使えば、それは悪用ではなく、売ってる国はドラッグストアで売っている訳です。

 

そういう意味で、AIは過去のすべての音楽テクノロジーとなんら変わりません。思い通りにピアノを弾くのが難しいのと、思い通りにMIDIで打ち込みするのが難しいのと、思い通りにAIを駆動するのが難しいのは同一線上の事象です(音楽家とAIの間に介入する「プロンプトの口利き」としてのchatGPTみたいな仲介業者とどう付き合うか?というのは、すげえ重要なんですが企業秘密ですから、どうしても知りたかったらカステラとかメロンとか、そういった物を私宛に)。

 

もちろん我々、、、、というか<そんなもん誰だって>でしょうけれども、重篤な性被害をもたらすディープフェイクや、依存によって死者を出したオンラインchat(「Eliza」。アメリカのプロダクツ。死者の国籍はベルギー。妻子がいたがElizaに強い転移を起こして6日間会話した後、自殺)、等々、AIの悪用可能性や、結果としての危険性が高いサーヴィスには然るべき確たる法規制が必要だと思います。

 

要するにAIはPC等に似て、全てのデジタルコンテンツに与するので、また、人工知能の発達が人類に与えるインパクトは、自動車のエンジン一個のそれとは比べ物にならず、膨大なその全てを、ディストピアックな不安感を接着剤に、何でもかんでも同一視してしまうのは、黎明期にありがちな早計であり、繰り返し、各分野でのAIのあり方の違いが正しく精緻に認知されることが現在、何より重要であると思われます。

 

エンタメ並みの面白さを持つ、AI使用のチュートリアル動画による啓蒙。が、いよいよ当工房しかやり手がいない。という状況になりましたら、実行に移したいと思います。

 

 

*           *           *           *           * 

 

 

ただ、エッセンシャルかつ完璧を目指す「AI論」のようなものになったら、著書一冊分に相当してしまうでしょう。私は、2~3年前にはいろんな出版社から「音楽生成AIについて本書け」というオファーがやまぬ時期があり、それは未来的なテクノロジー論として、つまりポジティヴブックとして、だったのですが、ご想像の通り、AIFF並びにメジャー3社のsuno、udioへの訴訟が起こるや否や、オファーがゼロになりました笑(「ポジティヴで」期から全部断っている、という事実も加担していると思いますが笑)。

 

だって、こと「音楽」に限定しても

 

A)  音楽に<著作>権概念が初出し、それを保護するアソシエイトが初めて出来た地点(全米作曲家作詞家出版者協会の設立時=1914年)

 

B) 戦争テクノロジーから「コンピューター」を経て、「人工知能」という概念が工学上初出した地点(アラン・チューリングの「コンピューターと知能(1950)」を基にした、米国ダートマス大学内での会議=1956年)

 

C)  最初の音楽テクノロジーである「楽器」が初めて開発された地点(少なくとも、現在、断崖絶壁に立っているとはいえ、一応、グローバルなプラットフォームとして採用され続けている「12音等分平均律」。を産み出した「西ヨーロッパ」文明の基盤確立時=概ね12世紀以降)

 

から、現在までの、最低でもABC3つのパースペクティヴを基に、音楽におけるAIの、本日たった今の存在意義について、完璧に「正しく」記述しないと何の説得力ないですよね。

 

でもそんなこと誰にできると言うのでしょう?1個人には言うまでもなく、いかなるチームにもchatGPTにも無理ではないでしょうか? 何故なら、それのテキスト化よりも高速でAIのスペックも法律も変わるでしょうから、そもそもこの企ては追いつかない。というより、出力される意味が無化され続けるからです。

 

と、大変長らくお待たせいたしました。まあまあ、概ねこうした状況の中、遅まきながら以下、最低限、3点のみを以って、我々<新音楽制作工房>のステートメントとさせて頂きます。 

 

*           *           *           *           * 

 

 

1)我々は、最初の音楽制作 / 演奏ツールとしての「楽器」から、最新ツールとしてのAIまでの、すべての音楽用テクノロジーを等しく使用し、音楽表現のネクストレベルを常に目指しています。

 

2)ですので、我々は「AI専門のギルド」ではありません。オーケストラアレンジから完全アコースティックの作曲、作詞、演奏、歌唱、前AIテクノロジーとしてのMIDIを中心としたDAW全般を、局面に合わせ使用しており、各ツールのミックス、メンバー同士のコラボや合作も行っている、トータルなミクスチャー集団として、恐らく世界でも唯一の工房だと自負しております。

 

3)その理念的な根幹は、第一に音楽制作用AIに違法性はない。第二に悪用はしない。という、工房全員一致のアティテュードに依るものです(=もし何らかの逆転劇が起こり、音楽生成AIが、コカインほどの違法になったら、使用は中止します、というか、したくてもできなくなります)。

 

1と2は我々の活動履歴が雄弁に物語っており、ご理解いただけると信じますが、3には、ここまで繰り返し書いた通り、不安症の方や、強粘着性の方は、モヤが完全には払拭しきれないやも知れません。前述、chatGPTはどなたも触りますが、sunoとudioの生成サーヴィスは、どなたも触るわけではないので、可及的速やかなる「国民総音楽AI使用時代」の到来が求められますし、到来の暁に明確になるのは、「最初は誰もが楽しくいじっているが、やがて飽きて止めてしまい、音楽の創造性と才覚の持ち主だけが、追求し続ける」であろうこと。つまり、<楽器>が人類に生じさせる現象と、何一つ変わりません。

 

 

と、ここが最重要ですのでコスりますが、それがいかなる道具であれ、悪用しようと思いさえすれば、画鋲一個でさえかなり悪用することができます。我が国の殺人事件で使用される凶器で最多のものは「暖かい、お母さんの味」を調理するときに必ず用いられる包丁です。

 

つまりこれはクリシェもクリシェですが、テクノロジーというものは、人間が作り、人間が有効利用する以外、正しい道はありません。

 

ですので、ここでステートメントを1つ増設しますが

 

4) 我々がクリエーター集団として問題視しているのは、AI成果物の審美的評価だけであり、そして何より、音楽テクノロジーがクリエイティヴィティを拡張する可能性、というものが、何者かの圧力によって潰されたり、その発達が歩みを止めた事は、音楽の歴史上一度たりともない、という認識を前提としております。

 

以上です。いうまでもなく、これはあくまでステートメントであり、いかなる立場の方への批判でもありませんし(レンチン発言者は特例です)、それが前向きで発展的なものだとしても、議論の誘発を意図するものではありません。

 

といった次第で御座いまして、我々は(現在のところ)日本で唯一の音楽制作ギルドとして、世界を見回しても、AI使用による商業音楽作品の成果は、質量ともトップクラスであるという自負が、些少なりとも御座います。(ステートメントにある通り)AIの使用、不使用と関わりなく、音楽的な全方向へ、今後も変わらず精進して参ります所存ですので、変わらぬご贔屓賜れば、これ以上の喜びはありません。最後に、スライ・ストーン氏とブライアン・ウィルソン氏に、工房を代表し、敬意と等量の弔意を捧げます。2人は音楽性と人間性を超えて偉大なテクノロジストでした。音楽を自宅で録音し、納品する天国と地獄を、リズムも、ハーモニーも、人間を発狂に至らしめる黄金の神託であることを、我々音楽家は全員、身をもってフレッシュに経験し直すべきであることを、2人の音楽は導いて止めません。長文ご精読ありがとうございました。それではアルバムより1曲




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